■坐骨神経痛の原因は関節反射の異常だった
上記にもありますが、坐骨神経痛とは、病名ではなく、その症状の名前です。
坐骨神経の走行と支配領域に痛みやしびれのあるものが坐骨神経痛と呼ばれます。
今まで神経根の圧迫や骨の変形などによって坐骨神経痛は発生すると考えられていましたが、色々な研究が進む事により、「単純な神経の圧迫では痛みやしびれは起こさない。」という事が分かってきています。
実際、私の院でも椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、脊椎分離症やすべり症、変形性脊椎症が原因とされて坐骨神経痛の症状を出し治療に来る方が多いですが、かなりの高確率で坐骨神経痛の症状は軽減や治癒しています。
それでは坐骨神経痛で大多数を占める原因とは何でしょうか?
それは「関節反射の異常」です。
関節反射とは、関節の靱帯や関節胞に存在している固有受容器が関節内外の状態を監視、コントロールする機能です。固有受容器が関節内部の動きや圧力、重力や外力などの刺激をキャッチする事で周囲の筋緊張をコントロールしたり関節の動きを調節したりし、関節同士に連携を持たせて複合的な運動を可能にしています。
■坐骨神経痛の症状
関節を監視、コントロールしている固有受容器の働きに異常が出ると関節内外の状態を監視する事が難しくなり、痛みやしびれ、過緊張(コリ)、脱力、可動域障害、皮膚の硬化などの症状が出てきます。
関節反射が乱れた時、痛みやしびれの症状はその人にとって「構造上弱くなっているところ」や「以前怪我をした場所」、「普段ストレスをかけている関節」に出現しやすくなっています。
我々人間の関節には運動器の状態を常時監視、コントロールしているセンサーが関節の靱帯や関節胞に存在していて、関節内部の動きや圧力などを監視、コントロールしている事は先にも書いた通りですが、この関節のセンサーは関節同士でネットワークを形成しています。
その中心的役割をしているのが骨盤にある仙腸関節です。
多くの場合はこの仙腸関節が異常を起こし、上記のようにストレスがかかっている関節やケガなどにより構造が変化してしまった関節や周囲に痛みやしびれ、腫れや可動域障害という形で出現します。坐骨神経に沿って痛みやしびれが出れば坐骨神経痛という事になります。
■坐骨神経痛の治療方法
治療に関しては骨盤にある仙腸関節の関節反射の異常を正常化する事が一番重要で、仙腸関節の関節反射が正常化すれば大多数の坐骨神経痛は軽減や治癒していきますが、従来の治療法などを後述します。
ただし、全ての坐骨神経痛の原因が関節反射の異常によるものでは無く、極少数ですが真の神経症状の方や心因性、血管性その他の原因で坐骨神経痛様の症状が出ている場合もありますから、注意深く経過を観察する必要があります。
以下に坐骨神経痛の原因と考えられている代表的な疾患をあげます。
腰にある「仙腸関節」「椎間関節」のセンサーが何らかの原因で傷害され、関節包内の動きや圧力などの状態をうまく監視できなくなると痛みやしびれといった坐骨神経痛の様な症状がでます。
坐骨神経痛を起こす原因としては最多で、レントゲンやMRIの画像検査では関節センサーの障害は判断できず、見逃されていることが多いです。関節反射の異常を矯正すれば症状は無くなっていくものがほとんどです。
椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛と言われる事があります。坐骨神経痛とは、症状の名前であって、病名ではないからです。
腰椎椎間板ヘルニアは脱出した椎間板が神経を圧迫して腰・下肢痛を引き起こす代表的な疾患です。
20歳代、30歳代、40歳代の順に多く、次いで10代、50〜60代の活動的な男性に多いです。
腰痛と片側の足の痛みが主体となることが多いです。運動や労働によって症状が悪化し、安静で症状が軽くなる傾向があります。
椎間板ヘルニアの程度により、運動障害、直腸膀胱障害、筋力低下、脱力などの症状があります。
腰椎を構成する上と下の関節の突起部分が離れてしまっている状態を言います。青少年期の過度のスポーツ活動が原因の一つと考えられており、スポーツ選手の10%以上にみられます。分離したすぐ近くの椎間板に変性が生じると椎体が前方に滑り出し、いわゆるすべり症になります。
脊髄神経を通す脊柱管が狭くなり、脊髄神経を圧迫して症状が出る物を脊柱管狭窄症と言います。
先天性脊柱管狭窄症と後天性脊柱管狭窄症があるが、ほとんどは後天性脊柱管狭窄症です。
背骨が変形して狭窄が生じる脊柱管狭窄症は男性に多く、上記にあるすべり症による脊柱管狭窄症は女性に多いです。
間欠性跛行が特徴的な症状で、歩いているうちに痛みやしびれで歩けなくなります。しゃがみ込んだり座ったりして休むと痛みやしびれは軽減し、また歩けるようになります。この状況を馬尾性間欠性跛行といいます。
その他に強くはないが腰痛と足の痛みがあります。
坐骨神経がお尻を通る際に梨状筋という筋肉の下を通る際に圧迫を受けて発生します。
お尻の圧痛と放散痛、足を内旋すると症状が悪化します。
加齢による背骨の変形が神経を圧迫して生じます。
※参考 関節反射
人間の関節には動きや関節内の圧力、周囲の筋緊張等をコントロールするシステムが存在していて、数種類のセンサーによって監視、コントロールされています。
それを関節反射と言います。
現在のところ、このセンサーは四種類あることが確認されていて、
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TypeT 関節の止まっている状態及び動き、距離、方向、速さ、圧力などを感知しています。
→姿勢を維持している時に重要なセンサーです。
TypeU 関節の瞬間的な動きを感知しています。
→身体をリズミカルに動かしてくれるセンサーです。
TypeV 関節に加わる大きな外力を感知します。
→関節が壊れないように防御してくれるセンサーです。
TypeW 関節の損傷や炎症などを感知します。
→状態を脳に伝える痛みセンサーです。
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このセンサーの働きに何らかの異常が出ると関節反射が正常に行われなくなり、その症状として痛みやしびれ、腰痛や坐骨神経痛などの症状が出現するのです。
坐骨神経痛もこの関節反射の異常である事がほとんど。レントゲンやMRIに構造的異常、変形や分離滑り、歪みなど画像上の異変があっても痛みは軽減、もしくは治癒していくケースが多いことを実証しています。
※普段の生活で注意したい事
疲労をためない事が一番重要ですが、関節は常にストレスと闘っています。
・過剰な労働や運動、同じ姿勢を長時間続ける、外傷、出産に伴う骨盤の障害、外科手術の経験(回数が多いとなおさら)、病気、炎症性疾患の既往、
マッサージやカイロプラクティック等での強い施術による関節センサーの損傷、気象の変化(気温や気圧の急激な高低)、長時間の寒冷暴露、スポーツにおける
ジャンプや受け身 ・精神的緊張
上記の項目が加わる事で関節反射の異常が発症します。過剰にストレスを受けると関節反射の異常が回復しづらくなります。 ですから、治療の為には十分な休息をとる事が重要になります。
| ※坐骨神経痛は様々な原因で発生します。自己判断はせず、必ず専門家の指示を仰ぎましょう。 |
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